2008年07月11日

混沌

混沌

 物事が判然とせず曖昧なさまを混沌と言います。
もとは中国の古典「荘子」に出てくる、のっぺらぼうの帝王のことです。
あるとき混沌は、よその帝王2人を招いてもてなしました。
2人は、返礼を相談します。「人の顔には七つの穴があって、見聞きし、
食べ、息をする。混沌にはそれがないから、お礼に開けてやろう」。
そして目、鼻、口・・・と穴を開けると混沌は死んでしまいました。
 曖昧は曖昧のままに、と教える話です。

 この度のサミットで、議長を務めた福田首相も、焦点だった温室効果
ガス削減について、きりりと目鼻をつけたかったでしょうが、主要8ヵ
国の負う責任は曖昧さに包みました。
 サミットというカンバスに、「温暖化対策」の絵は描かれました。
傑作なのか、凡作か、それとも駄作なのかは分りにくいものです。
いずれにしても抽象画です。首相は自画自賛の様子ですが、さて、42
年後にどう評価されるのでしょうか。

 のっぺらぼうの混沌は「ありのままの自然」の象徴とも解されます。
つるりと丸い地球を私たちに想像させもします。その自然を、人間の営
みが死に追いやります。悲劇を防ぐ取組は、いつまでも曖昧では、すま
されません。               (朝日新聞より)
 

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